今回のお参りは、第六番札所、安楽寺です。
正式名称は、『温泉山 瑠璃光院 安楽寺』。
瑠璃光院の名前で明らかな通り、御本尊は『薬師瑠
璃光如来』様。
お薬師様の癒しのお力で、我々は『安楽』となる訳です。
宿坊もあるこちらのお寺は、平地にゆったり開けた
明るい境内で、しっかりした石畳となっています。
ゴム底の靴は、雨の日には滑りやすいので、注意が必要です。
売店も規模が大きく、道具などの不備をここで整え
るお遍路の方も多いそうです。
*******
境内の池には弁財天様が祀られ、鳥居が設けられています。
「お寺に鳥居?」と奇異に感じる方もいらっしゃると思いますが、
鳥居は『境目』を表わすもので、神道固有のものではありません。
実際、真言宗の伽藍の中には鎮守様や荒神様、弁天様などの
神様が祀られており、鳥居は「この先は神様のお働きの場である」
ことを示し、区切りをつけているのです。
*******
建築様式としてはバランスの難しい多宝塔、下段の『角』と
中段の『丸』の融合は、この世のあらゆる形を凝縮したものです。
三重・五重塔の
『仏舎利を納め、お守りする』という役目に対し、
仏様の智慧・お陰(=『宝』)が詰まっている(=『多』)ことを
表現した建物が、多宝塔なのです。
*******
境内の中心に立って周囲を見渡すと、さながら『屋根の博物館』。
色々な時代に建てられた、様々な建物の屋根は、茅葺きに瓦葺き、
そして銅葺き・・・代々の御住職の思い入れと工夫が伝わります。
尚、山号についている『温泉』とは、お寺から1�ほど奥に入った
『安楽谷』という場所から湧き出た事に因んでいるそうです。
*******
ここで、お遍路初心者のきょんきょんから質問
「境内に、蓮の花をイメージした器にお水が張ってありましたが、
仏教では、『水』をどのようなものとして捉えているのですか?」
こうゆうさんの回答
清らかさの象徴。濁った水、澄んだ水・・・一目瞭然です。
仏様のみ教え。高所から低い場所へと、分け隔てなく注がれる。
水は、動くからこそ美しいのです。
淀んだ水は、コケなどを繁殖させ、やがて傷んできます。
我々も、一つの居場所に安住するのではなく、行いを重ねながら、
我が身を清め、自らを高めて行かなければなりません。
*******
さてお待ちかね、米裕さんの創作小噺「凸凹同行記」。
今回、たけやんとごんたはお休み。
代わって・・・何と、弘法大師・空海様の登場です。
今からおよそ千二百年前、四国の地を巡錫されていたお大師様は、
疲れた体を温泉で休めておられました
自然の力に感謝の念を捧げておりますと、突如現れたお薬師様。
一心に礼拝するお大師様目掛けて、一本の矢が飛んで来ましたが
風もないのに小さな松の枝がしなり、その矢を受け止めました。
猪と見間違えて、お大師様に矢を放った猟師は、平謝りです。
聞けば、足の病のため歩けない父親に、猪の肝を食べさせようと、
猟に出ていたとの事。
これを聞いたお大師様、「お薬師様のお引き合わせだ」と理解し、
猟師の家へ行くと、父親の病気平癒を願い、一心に拝みました。
翌朝。
旅立つお大師様を、歩いて見送りが出来るまで回復した父親の姿に
猟師も、父親自身も驚き、そして大喜び。
そこでお大師様は、昨日の小さな松の植え替えを提案します。
「根を上にして、逆さまに植えなさい。お薬師様のお力があれば、
必ず育ちます。」
やがて立派に育った松の姿に、仏様の御威光を感じた人々の手で、
薬師瑠璃光如来を御本尊とする札所のお寺が建立されました。
そして、植え替えられた松は、弘仁六年お手植えの『逆松』として
今も安楽寺の境内に残ります。
*******
最後に、お薬師様と温泉の関係を御紹介。
「仏様の有り難いみ教えを、一般の方々に理解してもらうためには
一体どうすれば良いのか・・・?」
仏教伝来当時のお坊さん達は考えに考え、そして思
いついたのが、『温泉』でした。
今の時代、『温泉』と言えば『リゾート』というイメージですが、
かつては『湯治』と言って、病気治療の場でした。
八万四千の仏様の中にあって、『病気平癒』という、一般庶民から
比較的理解しやすい働きをされるお薬師様を、湯治場にお祀りして
病に苦しむ人々に心の安らぎを与える、という形で信仰が広まった
そうです。
*******
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
正式名称は、『温泉山 瑠璃光院 安楽寺』。
瑠璃光院の名前で明らかな通り、御本尊は『薬師瑠
璃光如来』様。
お薬師様の癒しのお力で、我々は『安楽』となる訳です。
宿坊もあるこちらのお寺は、平地にゆったり開けた
明るい境内で、しっかりした石畳となっています。
ゴム底の靴は、雨の日には滑りやすいので、注意が必要です。
売店も規模が大きく、道具などの不備をここで整え
るお遍路の方も多いそうです。
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境内の池には弁財天様が祀られ、鳥居が設けられています。
「お寺に鳥居?」と奇異に感じる方もいらっしゃると思いますが、
鳥居は『境目』を表わすもので、神道固有のものではありません。
実際、真言宗の伽藍の中には鎮守様や荒神様、弁天様などの
神様が祀られており、鳥居は「この先は神様のお働きの場である」
ことを示し、区切りをつけているのです。
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建築様式としてはバランスの難しい多宝塔、下段の『角』と
中段の『丸』の融合は、この世のあらゆる形を凝縮したものです。
三重・五重塔の
『仏舎利を納め、お守りする』という役目に対し、
仏様の智慧・お陰(=『宝』)が詰まっている(=『多』)ことを
表現した建物が、多宝塔なのです。
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境内の中心に立って周囲を見渡すと、さながら『屋根の博物館』。
色々な時代に建てられた、様々な建物の屋根は、茅葺きに瓦葺き、
そして銅葺き・・・代々の御住職の思い入れと工夫が伝わります。
尚、山号についている『温泉』とは、お寺から1�ほど奥に入った
『安楽谷』という場所から湧き出た事に因んでいるそうです。
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ここで、お遍路初心者のきょんきょんから質問
「境内に、蓮の花をイメージした器にお水が張ってありましたが、
仏教では、『水』をどのようなものとして捉えているのですか?」
こうゆうさんの回答
清らかさの象徴。濁った水、澄んだ水・・・一目瞭然です。
仏様のみ教え。高所から低い場所へと、分け隔てなく注がれる。
水は、動くからこそ美しいのです。
淀んだ水は、コケなどを繁殖させ、やがて傷んできます。
我々も、一つの居場所に安住するのではなく、行いを重ねながら、
我が身を清め、自らを高めて行かなければなりません。
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さてお待ちかね、米裕さんの創作小噺「凸凹同行記」。
今回、たけやんとごんたはお休み。
代わって・・・何と、弘法大師・空海様の登場です。
今からおよそ千二百年前、四国の地を巡錫されていたお大師様は、
疲れた体を温泉で休めておられました
自然の力に感謝の念を捧げておりますと、突如現れたお薬師様。
一心に礼拝するお大師様目掛けて、一本の矢が飛んで来ましたが
風もないのに小さな松の枝がしなり、その矢を受け止めました。
猪と見間違えて、お大師様に矢を放った猟師は、平謝りです。
聞けば、足の病のため歩けない父親に、猪の肝を食べさせようと、
猟に出ていたとの事。
これを聞いたお大師様、「お薬師様のお引き合わせだ」と理解し、
猟師の家へ行くと、父親の病気平癒を願い、一心に拝みました。
翌朝。
旅立つお大師様を、歩いて見送りが出来るまで回復した父親の姿に
猟師も、父親自身も驚き、そして大喜び。
そこでお大師様は、昨日の小さな松の植え替えを提案します。
「根を上にして、逆さまに植えなさい。お薬師様のお力があれば、
必ず育ちます。」
やがて立派に育った松の姿に、仏様の御威光を感じた人々の手で、
薬師瑠璃光如来を御本尊とする札所のお寺が建立されました。
そして、植え替えられた松は、弘仁六年お手植えの『逆松』として
今も安楽寺の境内に残ります。
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最後に、お薬師様と温泉の関係を御紹介。
「仏様の有り難いみ教えを、一般の方々に理解してもらうためには
一体どうすれば良いのか・・・?」
仏教伝来当時のお坊さん達は考えに考え、そして思
いついたのが、『温泉』でした。
今の時代、『温泉』と言えば『リゾート』というイメージですが、
かつては『湯治』と言って、病気治療の場でした。
八万四千の仏様の中にあって、『病気平癒』という、一般庶民から
比較的理解しやすい働きをされるお薬師様を、湯治場にお祀りして
病に苦しむ人々に心の安らぎを与える、という形で信仰が広まった
そうです。
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・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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