今回のお参りは第二十六番札所、龍頭山・金剛頂寺です。
眼下に海の広がるこちらのお寺は、沖合いを航行する船舶の目印となって
灯台の役目を果たしていたそうです。
嵯峨天皇の命によって、鎮護国家のために開山されたこちらの御本尊は、
お大師さまが一刀三礼で彫り上げられた、薬師如来さま。
この御本尊、完成すると御自身で動かれ、現在の場所に鎮座されたという
伝説が残っています。
仏像は彫り上げられた後に、開眼供養でお性根を入れるのが通常ですが、
樹木として森林に在る時から、既に仏さまとしてのお役目を担っていて、
仏像としての完成と同時に、すぐさまお働きを始められたのが、こちらの
お薬師さまでしょう。
***********
大草鞋が奉納され、素彫りの仁王さまがお守りになる山門から少し上ると
重厚な造りの本堂・・・瑠璃光殿に到着します。
お薬師さまの正式なお名前は『薬師瑠璃光如来』。
瑠璃色とは、夜明け前の、深く美しい青空の色です。
境内には、米裕さんを髣髴とさせる、少しふくよかな『修行大師像』。
「休むな。さあ、行こう!!」
そんな風に励まされている・・・と、こうゆうさんは感じるそうです
***********
食糧難だった、お大師さまの時代。
苦しむ民衆を救おうと祈念すると、一つの米粒がフツフツと増えたという
『一粒万倍の釜』。
その様な言い伝えのある、直径1メートル程の、錆びた古い大きな釜が、
今も残っています。
他にも『旅壇具』という、出かけた先で使用する、簡易型の護摩壇など、
お大師さまが、実際にこの地で活動されていた頃に使われていた品々が、
こちらに色々と残されています。
***********
さてお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
今回も、ごんたとたけやんはお休み。
かつて、天狗に支配されていたこの地に、お大師さまが修行で訪れた際の
お話です。
!)!)!)!)!)!)!)!)!)!)!)
昔、大天狗様を崇める天狗宗という教えが、この地を支配していました。
自分達と異なった考えの者には戦いを挑み、力でねじ伏せ、命まで奪う
大天狗様へのお供えとして、生贄を強要する
暴力と恐怖のため、妄信へと陥った土地の者は、鼻の高い天狗の様な姿に
変貌を遂げていました
ある日、修行でこの地へいらしたお大師さまに、生贄となるよう強要する
土地の天狗達
『生きとし生けるもの全ての安泰を祈念して修行する身』という理由で、
要求を拒否すると、捕らえられ、生贄の座に就かされてしまいました。
お大師さまは覚悟を決め、瞑想に入られたところ、一天にわかにかき曇り
大嵐が襲来し山上の大天狗の像は、落雷で燃え尽きてしまいました
恐れおののいた天狗達が振り返ると、お大師さまは光の球の中で、静かに
瞑想を続けられていたそうです。
平伏して待つ天狗達に向かって、お大師さまは語りかけます
「人を殺し、財を盗むのは、悪い行為です。従わぬ者を殺める様な神は、
邪神です。草に降りた露の様に儚い、この世の命。そんな身でありながら
何故に、あの世で無限に続く苦しみの種をつくるのか?」
改心した民衆の、伸びていた鼻は元通りになり、憑き物が落ちたように、
晴れやかな表情が戻ってきました
・・・そして本物の天狗は、足摺岬の方角へと飛び去ったそうです。
***********
境内には、『天狗問答』の様子を記したレリーフがあります。
かつて、開けていない土地では、修行を妨げるものが多くありました。
この地を開こうと努力するお大師さまの前に、夜な夜な天狗がやって来て
邪魔をしたそうです
天狗は、妖怪の中でも『知恵のあるもの』とされています。
だから天狗には、天狗なりの考えや、主義・主張があるのです。
古いしきたりや、昔から伝わる教えの下でそれまで生活して来た人々が、
新しい考えを受け入れず、拒否するという事は、よくある話です
お大師さまが伝えられた仏教も、当時の未開地の民衆の立場からすると、
見た事も、聞いた事もない、全く未知の教えでした。
その様な場面で『征伐し、はじき返し、屈服させる』という力技でなく、
『問答』によって諭し、味方につけ、良き方向へと導く・・・
「いかにもお大師さまらしい」というのが、こうゆうさんの感想です
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック
眼下に海の広がるこちらのお寺は、沖合いを航行する船舶の目印となって
灯台の役目を果たしていたそうです。
嵯峨天皇の命によって、鎮護国家のために開山されたこちらの御本尊は、
お大師さまが一刀三礼で彫り上げられた、薬師如来さま。
この御本尊、完成すると御自身で動かれ、現在の場所に鎮座されたという
伝説が残っています。
仏像は彫り上げられた後に、開眼供養でお性根を入れるのが通常ですが、
樹木として森林に在る時から、既に仏さまとしてのお役目を担っていて、
仏像としての完成と同時に、すぐさまお働きを始められたのが、こちらの
お薬師さまでしょう。
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大草鞋が奉納され、素彫りの仁王さまがお守りになる山門から少し上ると
重厚な造りの本堂・・・瑠璃光殿に到着します。
お薬師さまの正式なお名前は『薬師瑠璃光如来』。
瑠璃色とは、夜明け前の、深く美しい青空の色です。
境内には、米裕さんを髣髴とさせる、少しふくよかな『修行大師像』。
「休むな。さあ、行こう!!」
そんな風に励まされている・・・と、こうゆうさんは感じるそうです
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食糧難だった、お大師さまの時代。
苦しむ民衆を救おうと祈念すると、一つの米粒がフツフツと増えたという
『一粒万倍の釜』。
その様な言い伝えのある、直径1メートル程の、錆びた古い大きな釜が、
今も残っています。
他にも『旅壇具』という、出かけた先で使用する、簡易型の護摩壇など、
お大師さまが、実際にこの地で活動されていた頃に使われていた品々が、
こちらに色々と残されています。
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さてお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
今回も、ごんたとたけやんはお休み。
かつて、天狗に支配されていたこの地に、お大師さまが修行で訪れた際の
お話です。
!)!)!)!)!)!)!)!)!)!)!)
昔、大天狗様を崇める天狗宗という教えが、この地を支配していました。
自分達と異なった考えの者には戦いを挑み、力でねじ伏せ、命まで奪う
大天狗様へのお供えとして、生贄を強要する
暴力と恐怖のため、妄信へと陥った土地の者は、鼻の高い天狗の様な姿に
変貌を遂げていました
ある日、修行でこの地へいらしたお大師さまに、生贄となるよう強要する
土地の天狗達
『生きとし生けるもの全ての安泰を祈念して修行する身』という理由で、
要求を拒否すると、捕らえられ、生贄の座に就かされてしまいました。
お大師さまは覚悟を決め、瞑想に入られたところ、一天にわかにかき曇り
大嵐が襲来し山上の大天狗の像は、落雷で燃え尽きてしまいました
恐れおののいた天狗達が振り返ると、お大師さまは光の球の中で、静かに
瞑想を続けられていたそうです。
平伏して待つ天狗達に向かって、お大師さまは語りかけます
「人を殺し、財を盗むのは、悪い行為です。従わぬ者を殺める様な神は、
邪神です。草に降りた露の様に儚い、この世の命。そんな身でありながら
何故に、あの世で無限に続く苦しみの種をつくるのか?」
改心した民衆の、伸びていた鼻は元通りになり、憑き物が落ちたように、
晴れやかな表情が戻ってきました
・・・そして本物の天狗は、足摺岬の方角へと飛び去ったそうです。
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境内には、『天狗問答』の様子を記したレリーフがあります。
かつて、開けていない土地では、修行を妨げるものが多くありました。
この地を開こうと努力するお大師さまの前に、夜な夜な天狗がやって来て
邪魔をしたそうです
天狗は、妖怪の中でも『知恵のあるもの』とされています。
だから天狗には、天狗なりの考えや、主義・主張があるのです。
古いしきたりや、昔から伝わる教えの下でそれまで生活して来た人々が、
新しい考えを受け入れず、拒否するという事は、よくある話です
お大師さまが伝えられた仏教も、当時の未開地の民衆の立場からすると、
見た事も、聞いた事もない、全く未知の教えでした。
その様な場面で『征伐し、はじき返し、屈服させる』という力技でなく、
『問答』によって諭し、味方につけ、良き方向へと導く・・・
「いかにもお大師さまらしい」というのが、こうゆうさんの感想です
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・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック
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