今回のお参りは第六十三番札所、密教山・吉祥寺です。
駐車場から、民家の建ち並ぶ路地を歩くと、正面に山門が見えてきます。
境内は広く、張り巡らされた結界の様に川が流れているこちらのお寺。
開基は空海さまで、御本尊は、四国霊場唯一の毘沙門天さま。
別名『多聞天』とも言い、米裕さんのお寺の御本尊でもあります
この毘沙門天さま、お釈迦さまが悟りを開かれた場所である須弥山を守る
四天王の一人、つまり軍神で、そのお姿は、必ず威圧感のある立像として
表現されます
***********
仏教には、真言宗・天台宗の『密教』と、『顕教』がありますが、顕教は
その字の通り『分かりやすい』教えの事です。
この密教・顕教双方が両輪として、日本の仏教は発展して来たのですが、
鎌倉期以降、政治情勢の影響もあって、顕教が民衆の間で勢力を拡大し、
更に明治時代に吹き荒れた廃仏毀釈で、かつて隆盛を誇った日本仏教は、
すっかりその姿を変えてしまいました。
***********
空海さまゆかりの地に、『密教』の山号を冠した札所。
真言宗僧侶のお二人は「いよいよ来たな」と、背筋の伸びる思い。
密教は『秘密教』と言われる場面もありますが、これは、大切なみ教えを
『隠している』のではなく、各々の修行の段階によって、伝えられる事・
教えても大丈夫な事が異なるためです。
車の運転に例えれば、キーを回せばエンジンをかける事が可能であっても
ライセンスを持っていない初心者や、全く訓練を積んでいない子供に対し
F1カーを与える事は、危険この上ない事は、誰の目にも明白でしょう。
また密教は、仏さまと『密接』な教えとも言われますが、これは、誰もが
『仏さまの資質を持っている』という、言わば、人間を『完成形』として
とらえている面を指しています。
ですから、十善戒の文言の解釈をとっても、『不殺生』を文字通り読めば
『殺すな』という意味ですが、密教においては、人間は同時に仏ですから
殺生を行う筈はないので、一歩進んで『生かせ』という意味になります。
同様に『不偸盗』も、字面通りの『盗むな』という意味には留まる事なく
更に押し進めた『与えよ』という解釈になります。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
「毘沙門さんて誰や」・・・と、いきなりごんたの質問。
どうやら、吉祥寺さんの御本尊が、『如来』でも『菩薩』でもない事が、
気になっての発言だったようです。
経典の納められた宝塔を掲げたその姿は、仏教の守り神であるという事を
表わしています。
経典は『宝の山』という事から転じ、毘沙門天さまは七福神という側面も
持っています。
『宝』というと、宝石を連想する人が多かった様で、昔の鉱山の労働者や
鍛冶師達から信仰を集めた毘沙門さま。
その一方で、軍神という性格から、戦国武将達からも慕われました。
仏さまには、お仕えする『眷属』の他、『使者』がいます。
普賢菩薩さまは象に、文殊菩薩さまは獅子に乗っておられますが、さて、
毘沙門天さまの使者とは・・・?
軍神という性格上、勇猛さのイメージから、ごんたは馬を想像しますが、
たけやんによれば、なんと『ムカデ』が正解だそうです。
***********
境内には、石鎚山の麓の滝壷にあったという、直径30~40cmの穴のあいた
『成就石』という大きな石があります。
本堂前から目隠しをして進み、金剛杖で穴を貫く事が出来れば、その人の
願いがかなう、とされており、他の参拝者の皆さんの大きな声援を受けて
杉本さんが果敢に挑戦!
米裕さんの的確なナビゲーションの下、結果は・・・
また来年、チャレンジして頂きましょう(笑)
***********
『吉祥寺』という名前、お寺の他に、地名としても各地に残っていますが
やはり、御本尊は毘沙門天さまの所が殆どのようです。
仏教の守護神という性格を反映してか、やはり配置されている位置関係は
地理的な側面でいえば鬼門とか、見張りの場所になっています。
ところで、毘沙門天さまと、めでたさを表わす『吉祥』との関係ですが、
仏教には『七難即滅・七福即生』という言葉があります。
守り神・毘沙門さまによって困難・魔が退散させられる。
それが直ちに、めでたき福へと転じる。
苦難は全て、福徳を得るための材料。
・・・これは、密教の考え方の根本です。
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
駐車場から、民家の建ち並ぶ路地を歩くと、正面に山門が見えてきます。
境内は広く、張り巡らされた結界の様に川が流れているこちらのお寺。
開基は空海さまで、御本尊は、四国霊場唯一の毘沙門天さま。
別名『多聞天』とも言い、米裕さんのお寺の御本尊でもあります
この毘沙門天さま、お釈迦さまが悟りを開かれた場所である須弥山を守る
四天王の一人、つまり軍神で、そのお姿は、必ず威圧感のある立像として
表現されます
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仏教には、真言宗・天台宗の『密教』と、『顕教』がありますが、顕教は
その字の通り『分かりやすい』教えの事です。
この密教・顕教双方が両輪として、日本の仏教は発展して来たのですが、
鎌倉期以降、政治情勢の影響もあって、顕教が民衆の間で勢力を拡大し、
更に明治時代に吹き荒れた廃仏毀釈で、かつて隆盛を誇った日本仏教は、
すっかりその姿を変えてしまいました。
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空海さまゆかりの地に、『密教』の山号を冠した札所。
真言宗僧侶のお二人は「いよいよ来たな」と、背筋の伸びる思い。
密教は『秘密教』と言われる場面もありますが、これは、大切なみ教えを
『隠している』のではなく、各々の修行の段階によって、伝えられる事・
教えても大丈夫な事が異なるためです。
車の運転に例えれば、キーを回せばエンジンをかける事が可能であっても
ライセンスを持っていない初心者や、全く訓練を積んでいない子供に対し
F1カーを与える事は、危険この上ない事は、誰の目にも明白でしょう。
また密教は、仏さまと『密接』な教えとも言われますが、これは、誰もが
『仏さまの資質を持っている』という、言わば、人間を『完成形』として
とらえている面を指しています。
ですから、十善戒の文言の解釈をとっても、『不殺生』を文字通り読めば
『殺すな』という意味ですが、密教においては、人間は同時に仏ですから
殺生を行う筈はないので、一歩進んで『生かせ』という意味になります。
同様に『不偸盗』も、字面通りの『盗むな』という意味には留まる事なく
更に押し進めた『与えよ』という解釈になります。
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さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
「毘沙門さんて誰や」・・・と、いきなりごんたの質問。
どうやら、吉祥寺さんの御本尊が、『如来』でも『菩薩』でもない事が、
気になっての発言だったようです。
経典の納められた宝塔を掲げたその姿は、仏教の守り神であるという事を
表わしています。
経典は『宝の山』という事から転じ、毘沙門天さまは七福神という側面も
持っています。
『宝』というと、宝石を連想する人が多かった様で、昔の鉱山の労働者や
鍛冶師達から信仰を集めた毘沙門さま。
その一方で、軍神という性格から、戦国武将達からも慕われました。
仏さまには、お仕えする『眷属』の他、『使者』がいます。
普賢菩薩さまは象に、文殊菩薩さまは獅子に乗っておられますが、さて、
毘沙門天さまの使者とは・・・?
軍神という性格上、勇猛さのイメージから、ごんたは馬を想像しますが、
たけやんによれば、なんと『ムカデ』が正解だそうです。
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境内には、石鎚山の麓の滝壷にあったという、直径30~40cmの穴のあいた
『成就石』という大きな石があります。
本堂前から目隠しをして進み、金剛杖で穴を貫く事が出来れば、その人の
願いがかなう、とされており、他の参拝者の皆さんの大きな声援を受けて
杉本さんが果敢に挑戦!
米裕さんの的確なナビゲーションの下、結果は・・・
また来年、チャレンジして頂きましょう(笑)
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『吉祥寺』という名前、お寺の他に、地名としても各地に残っていますが
やはり、御本尊は毘沙門天さまの所が殆どのようです。
仏教の守護神という性格を反映してか、やはり配置されている位置関係は
地理的な側面でいえば鬼門とか、見張りの場所になっています。
ところで、毘沙門天さまと、めでたさを表わす『吉祥』との関係ですが、
仏教には『七難即滅・七福即生』という言葉があります。
守り神・毘沙門さまによって困難・魔が退散させられる。
それが直ちに、めでたき福へと転じる。
苦難は全て、福徳を得るための材料。
・・・これは、密教の考え方の根本です。
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・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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