今回のお参りは第七十番札所、七宝山・本山寺です。
門前を賑やかに車が行き交う、平野部に位置するこちらのお寺。
一歩中に入ると、境内が全て見渡せる、いかにも讃岐らしい札所です。
現在の山門は、それほど大きなものではありませんが、これはどうやら、
かつての中門であるようです。
そう考えると、かつてこの一帯に、一大伽藍を誇る大寺院があった事が、
容易に想像出来ます。
六十八番、六十九番、そしてこの七十番が同じ山号であるという事実も、
その事を示しているのかもしれません。
***********
戦国時代、それは、四国の各寺院にとって受難の日々でもありましたが、
この本山寺も、あの悪名高き戦国武将・長宗我部元親が陣を張ろうとして
危うく焼き払われるところだったそうです
ただ、当時の住職の仏法を守り通す固い決意と、仏さまのお力によって、
戦火を免れ伽藍が残った、大変に貴重なお寺なのです。
その事は、山門の礎石などの凝った細工、つまり仏教が隆盛を極めた頃の
名残があるという事実からも垣間見る事が出来ます。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
連戦連勝で勢いに乗る戦国武将、長宗我部元親。
本山寺の敷地へ陣を張ろうと、寺を焼き払うためにやって来ました。
ところが本山寺の住職、元親を恐れる事もなく、刀を納め戦を止める様、
元親に命じます。
怒った元親、住職を斬った・・・かに思いましたが、手応えは全く無く、
住職は無傷。
一体何がどうなったのか、全く理解出来ずにいる元親の前に現れたのは、
白い光に包まれた阿弥陀如来さま。
恐れおののき、錯乱するところを・・・
家臣に揺り起こされ、夢から覚めた元親。
今日は、讃岐の地へ陣を張るべく、本山寺を焼き払いに行く日。
・・・の予定でしたが、そんな恐ろしい夢から覚めたばかりの元親
尻尾を巻いて退散したのは、言うまでもありません。
***********
本山寺の御本尊は、馬頭観音菩薩
観音さまといえば、慈悲深く優しい、女性的なお姿を想像しがちですが、
この馬頭観音さまは、世にも恐ろしい忿怒相の仏さまです。
江戸期には、当時の労働の一端を担っていた家畜を守護する仏さまとして
民衆の信仰を集めた馬頭観音さまですが、本来は、馬が飼葉を食べる姿の
勢いの良さが転じ、煩悩を食べ尽くして下さるお姿を示した仏さまです。
***********
本堂左手には、美しい五重塔が聳えています。
これは、明治期の御住職が、元の形に改修したものだそうです。
明治といえば、廃仏毀釈の嵐が吹き荒れた、仏教においては『鬼門』。
そんな逆風の時代にあって、仏法を守り続ける確固たる決意を胸に秘め、
実現にこぎつけた御住職の覚悟たるや、相当なものだったでしょう。
戦国時代の、長宗我部元親を追いやった御住職といい・・・
明治時代の、この御住職といい・・・
住職の『覚悟』が、こちらのお寺のキーワードかもしれません。
そんな歴史を持つ、この本山寺。
古式に則った伽藍を守り続けているあたり、その『覚悟』は、現代までも
脈々と受け継がれているようです。
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
門前を賑やかに車が行き交う、平野部に位置するこちらのお寺。
一歩中に入ると、境内が全て見渡せる、いかにも讃岐らしい札所です。
現在の山門は、それほど大きなものではありませんが、これはどうやら、
かつての中門であるようです。
そう考えると、かつてこの一帯に、一大伽藍を誇る大寺院があった事が、
容易に想像出来ます。
六十八番、六十九番、そしてこの七十番が同じ山号であるという事実も、
その事を示しているのかもしれません。
***********
戦国時代、それは、四国の各寺院にとって受難の日々でもありましたが、
この本山寺も、あの悪名高き戦国武将・長宗我部元親が陣を張ろうとして
危うく焼き払われるところだったそうです
ただ、当時の住職の仏法を守り通す固い決意と、仏さまのお力によって、
戦火を免れ伽藍が残った、大変に貴重なお寺なのです。
その事は、山門の礎石などの凝った細工、つまり仏教が隆盛を極めた頃の
名残があるという事実からも垣間見る事が出来ます。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
連戦連勝で勢いに乗る戦国武将、長宗我部元親。
本山寺の敷地へ陣を張ろうと、寺を焼き払うためにやって来ました。
ところが本山寺の住職、元親を恐れる事もなく、刀を納め戦を止める様、
元親に命じます。
怒った元親、住職を斬った・・・かに思いましたが、手応えは全く無く、
住職は無傷。
一体何がどうなったのか、全く理解出来ずにいる元親の前に現れたのは、
白い光に包まれた阿弥陀如来さま。
恐れおののき、錯乱するところを・・・
家臣に揺り起こされ、夢から覚めた元親。
今日は、讃岐の地へ陣を張るべく、本山寺を焼き払いに行く日。
・・・の予定でしたが、そんな恐ろしい夢から覚めたばかりの元親
尻尾を巻いて退散したのは、言うまでもありません。
***********
本山寺の御本尊は、馬頭観音菩薩
観音さまといえば、慈悲深く優しい、女性的なお姿を想像しがちですが、
この馬頭観音さまは、世にも恐ろしい忿怒相の仏さまです。
江戸期には、当時の労働の一端を担っていた家畜を守護する仏さまとして
民衆の信仰を集めた馬頭観音さまですが、本来は、馬が飼葉を食べる姿の
勢いの良さが転じ、煩悩を食べ尽くして下さるお姿を示した仏さまです。
***********
本堂左手には、美しい五重塔が聳えています。
これは、明治期の御住職が、元の形に改修したものだそうです。
明治といえば、廃仏毀釈の嵐が吹き荒れた、仏教においては『鬼門』。
そんな逆風の時代にあって、仏法を守り続ける確固たる決意を胸に秘め、
実現にこぎつけた御住職の覚悟たるや、相当なものだったでしょう。
戦国時代の、長宗我部元親を追いやった御住職といい・・・
明治時代の、この御住職といい・・・
住職の『覚悟』が、こちらのお寺のキーワードかもしれません。
そんな歴史を持つ、この本山寺。
古式に則った伽藍を守り続けているあたり、その『覚悟』は、現代までも
脈々と受け継がれているようです。
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
PR
トラックバック
トラックバックURL: