今回のお参りは第八十二番札所、青峰山・根香寺です。
前回の札所が『白』峯寺だったのに対し、今回は『青』峰山。
この地を巡錫されていた空海さまが金剛界曼荼羅の五智如来を感得され、
五つの峰にそれぞれ色を配されて密教の道場となさった事に由来します。
***********
古い山岳信仰の形態を、現代まで色濃く残すこちらのお寺。
駐車場の上には、恐ろしく奇怪な姿をした怪物の像がありますが、これは
四百年程前に、この界隈を荒し回ったと言われる『牛鬼』です
境内へと進むには、山門から一度石段を下った後、更に上へ上るという、
かなりハードな行程となりますが、これは魔を封じる地形だそうです。
山号が示す通り、参道の周囲は、豊かな緑の木々。
お参りしながら、心行くまで森林浴を楽しむ事も出来ます
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前回の天狗やこの牛鬼のように、四国八十八箇所の各札所に伝わる話には
得体の知れない物の怪の類が度々登場しますが、この四国の地に限らず、
お坊さんが怪物と対決した、という話は、全国各地に残っています。
蛇や狸、狐等に『憑かれた』といった相談は、現代でもあるそうですが、
西洋的な『対決』ではなく、対話による問答の中で相手の言い分を聞き、
最後に法力で降伏させるという日本にあって、大事なのが『見栄』。
荒れ狂い、凄んで、力を見せつけようと迫って来る恐ろしい相手に対し、
平静を保ち、力のあるお経を唱え、相手に『勝る』という事を見せつけて
屈服させるのが、お坊さんの役目です。
これは、自然災害を前にした時の、我々の態度に通ずるものがあります
猛威を振るう台風などの自然のパワーを前にすると、普通の人間であれば
狼狽するばかりで、不安に駆られて右往左往しがちです。
でも、ジタバタしたところで、何かが変わるわけでもありません。
ただ、事前に成すべき事を終え、準備万端でその時に臨んだでいたなら、
あとは心静かに、凛として、嵐が過ぎ去るのを待つ事が出来るのです
***********
こちらの見所の一つが、日本でも有数の古さを誇る、五大明王像。
各地の展覧会へ『出張』される事が多く、色々な場所で御覧になった方も
多いかもしれません。
根香寺へお越しの際は、ぜひ、『本来の場所』にいらっしゃる明王さまへ
お参り下さい。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
今回は、根香寺にまつわる牛鬼のお話です。
昔、この辺りの村人は、森に棲む怪物に悩まされていました。
夜道を行くと、暗がりの中を動く巨大な影。
一瞬、恐怖が過るものの、牛に似た鳴き声に安心する。
が、次の瞬間には鋭い角に突き刺され、森の奥に引きずり込まれる
・・・こんな風に、五人もの村人が犠牲になったそうです。
その頃、塩江に山田蔵人高清という弓の名手がおり、噂を聞いた村人達は
牛鬼の退治をお願いに行きました。
名人の放つ威厳を察知してか、牛鬼はなかなか姿を現しませんでしたが、
高清が根香寺で牛鬼出現を祈願して二十一日目の満願の日、山の中を蠢く
黒い生き物を発見。
一本の矢では倒し切れず、二本目の矢を口に命中させ、見事退治に成功
その牛鬼の角は、今も根香寺に保管されているそうです。
***********
根香寺に参拝した際には、ぜひとも手に入れたいのが、牛鬼グッズ。
リアルな姿が描かれた縦向きの手拭いが、こうゆうさんのお薦めです。
最後に、お寺の名前の由来について、米裕さんの解説です
かつて、このあたりでは香木が沢山採れたそうです。
智証大師さまが香木に御本尊を刻んだそうですが、その根の放つ香りが、
とても馨しいものだったので、寺号となったそうです。
また、その根の香りが水に溶けて、川も香った事から、『香川』の地名が
生まれたそうです。
『香りが広がる』という事は、『仏法流布』にも繋がっています。
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・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
前回の札所が『白』峯寺だったのに対し、今回は『青』峰山。
この地を巡錫されていた空海さまが金剛界曼荼羅の五智如来を感得され、
五つの峰にそれぞれ色を配されて密教の道場となさった事に由来します。
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古い山岳信仰の形態を、現代まで色濃く残すこちらのお寺。
駐車場の上には、恐ろしく奇怪な姿をした怪物の像がありますが、これは
四百年程前に、この界隈を荒し回ったと言われる『牛鬼』です
境内へと進むには、山門から一度石段を下った後、更に上へ上るという、
かなりハードな行程となりますが、これは魔を封じる地形だそうです。
山号が示す通り、参道の周囲は、豊かな緑の木々。
お参りしながら、心行くまで森林浴を楽しむ事も出来ます
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前回の天狗やこの牛鬼のように、四国八十八箇所の各札所に伝わる話には
得体の知れない物の怪の類が度々登場しますが、この四国の地に限らず、
お坊さんが怪物と対決した、という話は、全国各地に残っています。
蛇や狸、狐等に『憑かれた』といった相談は、現代でもあるそうですが、
西洋的な『対決』ではなく、対話による問答の中で相手の言い分を聞き、
最後に法力で降伏させるという日本にあって、大事なのが『見栄』。
荒れ狂い、凄んで、力を見せつけようと迫って来る恐ろしい相手に対し、
平静を保ち、力のあるお経を唱え、相手に『勝る』という事を見せつけて
屈服させるのが、お坊さんの役目です。
これは、自然災害を前にした時の、我々の態度に通ずるものがあります
猛威を振るう台風などの自然のパワーを前にすると、普通の人間であれば
狼狽するばかりで、不安に駆られて右往左往しがちです。
でも、ジタバタしたところで、何かが変わるわけでもありません。
ただ、事前に成すべき事を終え、準備万端でその時に臨んだでいたなら、
あとは心静かに、凛として、嵐が過ぎ去るのを待つ事が出来るのです
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こちらの見所の一つが、日本でも有数の古さを誇る、五大明王像。
各地の展覧会へ『出張』される事が多く、色々な場所で御覧になった方も
多いかもしれません。
根香寺へお越しの際は、ぜひ、『本来の場所』にいらっしゃる明王さまへ
お参り下さい。
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さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
今回は、根香寺にまつわる牛鬼のお話です。
昔、この辺りの村人は、森に棲む怪物に悩まされていました。
夜道を行くと、暗がりの中を動く巨大な影。
一瞬、恐怖が過るものの、牛に似た鳴き声に安心する。
が、次の瞬間には鋭い角に突き刺され、森の奥に引きずり込まれる
・・・こんな風に、五人もの村人が犠牲になったそうです。
その頃、塩江に山田蔵人高清という弓の名手がおり、噂を聞いた村人達は
牛鬼の退治をお願いに行きました。
名人の放つ威厳を察知してか、牛鬼はなかなか姿を現しませんでしたが、
高清が根香寺で牛鬼出現を祈願して二十一日目の満願の日、山の中を蠢く
黒い生き物を発見。
一本の矢では倒し切れず、二本目の矢を口に命中させ、見事退治に成功
その牛鬼の角は、今も根香寺に保管されているそうです。
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根香寺に参拝した際には、ぜひとも手に入れたいのが、牛鬼グッズ。
リアルな姿が描かれた縦向きの手拭いが、こうゆうさんのお薦めです。
最後に、お寺の名前の由来について、米裕さんの解説です
かつて、このあたりでは香木が沢山採れたそうです。
智証大師さまが香木に御本尊を刻んだそうですが、その根の放つ香りが、
とても馨しいものだったので、寺号となったそうです。
また、その根の香りが水に溶けて、川も香った事から、『香川』の地名が
生まれたそうです。
『香りが広がる』という事は、『仏法流布』にも繋がっています。
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・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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