今回のお参りは第八十七番札所、補陀落山・長尾寺です。
讃岐平野の、古い町並みの中に位置する、こちらのお寺。
山門の手前には、凝灰岩で出来た『経憧』という石柱があります。
この経憧、かつては『経筒』と表記されていたようで、願掛けの目的や、
功徳を増すためにと鎌倉時代に作られたもので、内部には書写したお経が
納められています
***********
小ぶりな鐘楼山門の向こうには、巨大な楠がザワザワと葉を揺らせながら
その威容を誇っており、両者がセットで一つの風景を作り上げています。
車での参拝が増えた近年は、駐車場の位置関係もあって、参拝者の多くは
山門を通る事なく、境内へと進み入っているようです。
しかし、お寺のスケールを感じるには、やはり正式に山門をくぐってから
お参りしたいものです。
***********
木々が鬱蒼と繁っていた前の札所に比べ、こちらは諸堂の配置が特殊で、
境内が広々とした印象。
実は、こちらではかつて、岡山の西大寺と同様に『会陽』、即ち裸祭りが
行われていたため、大勢の群衆が集うための設計がなされているのです。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
広々とした境内の様子に、「野球が出来そうやな」とは、ごんたの感想。
かつては大勢の裸の男達が集う『会陽』が行われていたため、そのような
広い敷地が必要でしたが、事故などの問題が発生したため中止となって、
今では代わって『三味線餅つき』や『大鏡力餅運搬競技』といった行事が
行われています。
ところで、かつて行われていた『会陽』ですが、なぜこのような呼び名が
ついているのでしょう?
実はこれ、裸の男たちが発する「エイヨー、エイヨー」という掛け声が、
そのままお祭りの名前になったのだそうですが、この様に掛け声や擬音が
行事の名前として定着した例は、日本各地に存在します。
更に古代中国では、動物の鳴き声を漢字の読みに適用した例も多くあり、
『犬』や『猫』などは、音読みしてみれば納得出来ます。
***********
続いては、杉本さんのてくてくインタビュー・ひとへんろ。
今回登場するのは、遍路専門のタクシー会社に勤務される、乗車歴
25年のベテラン運転手さん。
お遍路専門というだけあり、初心者の方にはお経も教えて下さるそうで、
勤務の合間には、御自身もお参りをされるそうです。
近頃は『観光がてら』の参拝客が増えて、お寺へのお参りだけではなく、
温泉やグルメといった、観光案内的なリクエストも多いそうです。
お仕事の性格上、日本各地からのお客さんと出会い、ふれ合う事が出来て
後に交流が続く場合もあるそうです
***********
長尾寺は、映画『高野山への道』の、四国ロケのクランクインの地であり
制作に携わったこうゆうさんにとっては、思い出の地でもあります。
境内の建物には、それぞれ一つ一つに、大変な手間をかけて仕上げられた
見事な細工がなされています。
『仏法を守る』という使命感の下、当時の職人さん達が丹誠込めて作った
貴重な作品、じっくりと味わいたいものです。
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
讃岐平野の、古い町並みの中に位置する、こちらのお寺。
山門の手前には、凝灰岩で出来た『経憧』という石柱があります。
この経憧、かつては『経筒』と表記されていたようで、願掛けの目的や、
功徳を増すためにと鎌倉時代に作られたもので、内部には書写したお経が
納められています
***********
小ぶりな鐘楼山門の向こうには、巨大な楠がザワザワと葉を揺らせながら
その威容を誇っており、両者がセットで一つの風景を作り上げています。
車での参拝が増えた近年は、駐車場の位置関係もあって、参拝者の多くは
山門を通る事なく、境内へと進み入っているようです。
しかし、お寺のスケールを感じるには、やはり正式に山門をくぐってから
お参りしたいものです。
***********
木々が鬱蒼と繁っていた前の札所に比べ、こちらは諸堂の配置が特殊で、
境内が広々とした印象。
実は、こちらではかつて、岡山の西大寺と同様に『会陽』、即ち裸祭りが
行われていたため、大勢の群衆が集うための設計がなされているのです。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
広々とした境内の様子に、「野球が出来そうやな」とは、ごんたの感想。
かつては大勢の裸の男達が集う『会陽』が行われていたため、そのような
広い敷地が必要でしたが、事故などの問題が発生したため中止となって、
今では代わって『三味線餅つき』や『大鏡力餅運搬競技』といった行事が
行われています。
ところで、かつて行われていた『会陽』ですが、なぜこのような呼び名が
ついているのでしょう?
実はこれ、裸の男たちが発する「エイヨー、エイヨー」という掛け声が、
そのままお祭りの名前になったのだそうですが、この様に掛け声や擬音が
行事の名前として定着した例は、日本各地に存在します。
更に古代中国では、動物の鳴き声を漢字の読みに適用した例も多くあり、
『犬』や『猫』などは、音読みしてみれば納得出来ます。
***********
続いては、杉本さんのてくてくインタビュー・ひとへんろ。
今回登場するのは、遍路専門のタクシー会社に勤務される、乗車歴
25年のベテラン運転手さん。
お遍路専門というだけあり、初心者の方にはお経も教えて下さるそうで、
勤務の合間には、御自身もお参りをされるそうです。
近頃は『観光がてら』の参拝客が増えて、お寺へのお参りだけではなく、
温泉やグルメといった、観光案内的なリクエストも多いそうです。
お仕事の性格上、日本各地からのお客さんと出会い、ふれ合う事が出来て
後に交流が続く場合もあるそうです
***********
長尾寺は、映画『高野山への道』の、四国ロケのクランクインの地であり
制作に携わったこうゆうさんにとっては、思い出の地でもあります。
境内の建物には、それぞれ一つ一つに、大変な手間をかけて仕上げられた
見事な細工がなされています。
『仏法を守る』という使命感の下、当時の職人さん達が丹誠込めて作った
貴重な作品、じっくりと味わいたいものです。
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
今回のお参りは第八十六番札所、補陀落山・志度寺です。
札所も残す所あと3ヶ寺となり、番組はいよいよ大詰め
米裕さん、早くも感涙にむせんでいます
***********
こちら、御本尊は十一面観世音菩薩さまで、山号にもある『補陀落』とは
観音さまのいらっしゃる浄土の事。
その浄土に憧れ、信仰する事を『補陀落浄土渡海信仰』と言うのですが、
当時の都だった近畿地方へは、仏教を始めとする大陸の様々な先進文化が
西の海から伝わって来た事から、瀬戸内海を隔てて西側に位置する四国を
浄土の入り口と考えた・・・というのが、米裕さんの説です
***********
こちらのお寺、開基は六百年代。
あの行基さまが活躍された頃よりも、更に前の時代になります。
そんな歴史の古いお寺ですから、創建当初の寺号もはっきりしません。
志度寺の『志(し)』の音は、四国の『四』や、『死』にも通じます。
発心・修行・菩提・涅槃という、修行の段階を表現する『四』。
ネガティブな意味でなく、仏の浄土も表現し得る『死』。
ひょっとすると、何らかのつながりがあるのかもしれません。
***********
自然豊かな境内を進むと、緑をかき分けてお参りしているような印象。
観音浄土の入り口と考えられていただけあり、最澄さまや空海さまを始め
こちらのお寺には、著名な和尚さまが数多く足を運ばれたそうです。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
その歴史から分かる通り、貴重な文化財が数多く現存する志度寺ですが、
たけやんによると、中でも、鎌倉時代に当たる1300年代に作
られたという
『絹本著色志度寺縁起』六幅の絵図は、お寺の縁起が鳥瞰図で描かれた、
大変に面白いものだそうです
御本尊である十一面観音像の謂れを説いた、一巻目の絵図。
二巻目と三巻目は、謡曲・海女の原型にもなった、珠とりの海女の物語。
以下、四巻目は白杖童子縁起と当願暮当之縁起、五巻目が松竹童子縁起、
そして六巻目の阿一蘇生之縁起へと続きます。
こういったお寺の縁起物語は、その不思議や功徳を分かりやすく説く事で
勧進にも使われましたが、同時に神仏と我々の日常生活の密接な関係や、
戒め、子供に道徳を教えるという役目も担っていたのです。
***********
諸堂をお参りさせて頂くと、竜の彫り物が多い事に気付きます
海が近い地域には、深刻な自然災害としての『海難』が付きものですが、
怪物とも表現し得る忌むべき災いが、仏法によって改心させられた姿を、
『竜』として表現しているのです
『自然の荒ぶる神が災いをもたらす』という考え方は日本独自のもので、
『竜巻』という表現は、その典型の一つかもしれません。
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
札所も残す所あと3ヶ寺となり、番組はいよいよ大詰め
米裕さん、早くも感涙にむせんでいます
***********
こちら、御本尊は十一面観世音菩薩さまで、山号にもある『補陀落』とは
観音さまのいらっしゃる浄土の事。
その浄土に憧れ、信仰する事を『補陀落浄土渡海信仰』と言うのですが、
当時の都だった近畿地方へは、仏教を始めとする大陸の様々な先進文化が
西の海から伝わって来た事から、瀬戸内海を隔てて西側に位置する四国を
浄土の入り口と考えた・・・というのが、米裕さんの説です
***********
こちらのお寺、開基は六百年代。
あの行基さまが活躍された頃よりも、更に前の時代になります。
そんな歴史の古いお寺ですから、創建当初の寺号もはっきりしません。
志度寺の『志(し)』の音は、四国の『四』や、『死』にも通じます。
発心・修行・菩提・涅槃という、修行の段階を表現する『四』。
ネガティブな意味でなく、仏の浄土も表現し得る『死』。
ひょっとすると、何らかのつながりがあるのかもしれません。
***********
自然豊かな境内を進むと、緑をかき分けてお参りしているような印象。
観音浄土の入り口と考えられていただけあり、最澄さまや空海さまを始め
こちらのお寺には、著名な和尚さまが数多く足を運ばれたそうです。
***********
さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。
その歴史から分かる通り、貴重な文化財が数多く現存する志度寺ですが、
たけやんによると、中でも、鎌倉時代に当たる1300年代に作
られたという
『絹本著色志度寺縁起』六幅の絵図は、お寺の縁起が鳥瞰図で描かれた、
大変に面白いものだそうです
御本尊である十一面観音像の謂れを説いた、一巻目の絵図。
二巻目と三巻目は、謡曲・海女の原型にもなった、珠とりの海女の物語。
以下、四巻目は白杖童子縁起と当願暮当之縁起、五巻目が松竹童子縁起、
そして六巻目の阿一蘇生之縁起へと続きます。
こういったお寺の縁起物語は、その不思議や功徳を分かりやすく説く事で
勧進にも使われましたが、同時に神仏と我々の日常生活の密接な関係や、
戒め、子供に道徳を教えるという役目も担っていたのです。
***********
諸堂をお参りさせて頂くと、竜の彫り物が多い事に気付きます
海が近い地域には、深刻な自然災害としての『海難』が付きものですが、
怪物とも表現し得る忌むべき災いが、仏法によって改心させられた姿を、
『竜』として表現しているのです
『自然の荒ぶる神が災いをもたらす』という考え方は日本独自のもので、
『竜巻』という表現は、その典型の一つかもしれません。
***********
・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。
詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!