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2025/05/12 17:52 |
【40番】平城山・観自在寺《放送内容》
今回のお参りは第四十番札所、平城山・観自在寺です。

『発心の道場』(阿波)『修行の道場』(土佐)を修め、
ここからいよいよ
『菩提の道場』、伊予の国です。

仏道を歩む気持ちを起こし、一歩踏み出す『発心』
難行・苦行の長い道を、ひたすら突き進む『修行』

・・・では、『菩提』とは?

通常、『修行』を終える事ゴール地点
修行が完成する事は、人間が本来生まれながらにして持っている菩提心
即ち仏の心が完成する事をも意味します。

しかし、少し物事が出来始めた途端、人間には『慣れ』『慢心』といった
厄介なものが生じます

土佐の国まで修め、修行を完成させているのなら、その方は既に『仏』
ならば以後は『人』ではなく、『仏』として歩むわけです。

仏が、仏としてもう一度修行に励み、更なる徳を積んで磨きをかける。
慣れや慢心に流れそうになるのを、もう一度引き締め直す道程です。

***********

平城天皇の頃、弘法大師・空海さまが開かれたこちらのお寺、御本尊は、
お大師さま自ら彫られたと言われる、薬師如来さまです。

平地の町中に位置するこちらは、歴史のあるお寺ながら、境内は近代的に
整備されています

山門両脇の石柱、右側の文字は『大師値遇』
左には『随縁往来』と刻まれています。

お大師さまにお会いさせて頂くに値する魂。
仏道を進んで行く事を発心してこその歩み。

・・・そう感じながら、歩んで参りましょう。

***********

さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小咄、凸凹同行記。

こちらの観自在寺は、一番札所の霊山寺から最も遠い札所である事から、
『裏関所』の異名がある、というたけやんの説明ですが・・・

そんな事より、ごんたにとっては、土佐で鰹のタタキを食べ損なった事が
大きな痛手のようです(笑)

土佐といえば、かつては鯨料理も盛んでした。
そんな文化がある一方で行われたのが、『鯨供養』

捕獲され、人間のために役立ってくれた鯨。
無駄なく、全てを有効に使わせて頂く人間。

自然の恵みへの『感謝の心』があってこそ、『供養』という文化・風習が
生まれるのです

多くの国々が、『野蛮』とか『可哀想』といった理由で捕鯨国を非難し、
反対の態度をとっています

その反対国、かつては鯨を乱獲し、食肉を除く大量の部位を廃棄していて
資源を無駄に浪費していた
のです。

現在の捕鯨国が、かつて自身が繰り返した愚行を、今も続けている・・・
反対国は、そう思い込んでいるのでしょう。

たけやん、捕鯨反対国の御都合主義に、大変御立腹でありました

***********

こちらには『弘法大師宝印御守』という、手拭いサイズの布があります。
この布には、お大師さまが、御本尊を彫った木の余りを版木に利用して、
『南無阿弥陀仏』と刻まれた文字がそのまま転写されています。

ここで、『南無阿弥陀仏』といえば浄土系の教えのもので、真言宗ならば
『南無大師遍昭金剛』という御宝号では?・・・と思ってしまいます。

でも、空海さまが御活躍の頃は『南無阿弥陀仏』を唱えていたのです。

実は『大師』号は、空海さまが御入定された後に天皇から賜ったもので、
御宝号は、後の世の人が、空海さまを慕って唱え始めたものなのです

***********

観自在寺の『観』は、観察の『観』
真実を、良き姿を、心に焼き付ける事です。

目が見えずとも、耳が聞こえずとも、焼き付けたその真実が、いつでも、
自在に具現化出来る・・・


そのレベルに達するべく、精進を続けるのが『菩提の道場』

こちらのお寺、節目の札所として、しっかりとお参りしたいものです

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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2008/12/07 17:45 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容
【39番】赤亀山・延光寺《きくへんアルバム》
第三十九番札所、赤亀山・延光寺のアルバムです

081122_01.jpg
延光寺の本堂です。
あいにくの雨の中での収録でしたが、
雨のお寺もいいものです

081122_02.jpg
雨宿りをしながら収録中です

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赤亀像の前でも収録です
梵鐘を背負っています

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俳人 黒田杏子(ももこ)さんの句碑があります

2008/11/22 18:03 | Comments(0) | TrackBack() | きくへんアルバム
【39番】赤亀山・延光寺《放送内容》
今回のお参りは第三十九番札所、赤亀山・延光寺です。

『修行の道場』土佐の国も、この札所が最後。
その名の通り、長く、そして厳しい道程でした。

***********

山あいの静かな盆地に整備されたこちらのお寺、開基は行基菩薩さまで、
御本尊は薬師如来さまです。

仏教が日本に伝来した当時、『病気を治して下さるといったお働きが、
庶民にとって最も身近で分かり易かった事もあり、お薬師さまへの信仰が
一般民衆の間に広がりました。

ですから、お薬師さまが本尊のお寺は、歴史の古い所が多いのです。

***********

こちらのお寺には、『赤い亀が梵鐘を背負って海からやって来たという
言い伝えが残っています。

龍・鳳凰・麒麟と並んで、『亀』は吉祥の動物です。

「亀がやって来る土地」・・・
それは即ち、神仏の住まわれる、尊い場所である事を意味しています。

また『海からやって来た』という伝説が意味するものは、未知の場所から
新しく尊いみ教えが伝来した
、という事実です。

響き渡る、梵鐘の音
それは、「ここに仏の教えあり」という幸せ、安心感でもあります

***********

四国各地に、お大師さまと水にまつわる伝説が数多く残されていますが、
こちらにも、お大師さまが錫杖で突かれた場所から水が湧き出た、という
『目洗いの井戸が現存しています。

その名の通り、眼病に効能があるそうですが、仏教の根本に立ち返れば、
我々は『邪見を除く』・・・即ち、『心眼を開く』ことを目指さなければ
なりません。

五体満足な人間にとっては何の変哲もない、ただ『見えるという事も、
目の不自由な人からすれば、大変に有り難く、尊い事だと分かります

我々も、邪見を除いた、汚れない素直な気持ちでこの世界に接したならば
日常の何気ない出来事に、感動と感謝の気持ちが湧き上がるはずです

***********

さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小咄、凸凹同行記。

大きな亀の像に感動したごんた。
延光寺の亀と梵鐘の伝説は、浦島太郎と関係がある、と推測しています

竜宮城へ行った浦島太郎、帰り際に、お土産として梵鐘を頂いたものの、
そんな重いものを持って陸へ上がる事は出来ないので、亀に運んでもらい
自らはイルカに乗って岸へと辿り着き、延光寺の住職になった・・・

なんとも、独創的な学説です(笑)

たけやんは、商売人の捕まえた亀をお金で買って、川へ放す・・・という
『放し亀』を思い出しました。

囚われの身である亀を助け、逃がす事で功徳を積む、という風習ですが、
亀、特に助けてもらえなかった者の立場からすれば、『功徳』どころか、
助けてくれなかった人間を恨んでいるかもしれません

誰からも認められる形で功徳を積む・・・本当に難しい事です。

***********

各札所にある納経所。
お参りの方への対応の仕方も、様々です。

にこやかに対応して下さる方もあれば、怒る人や、無表情な人・・・

中には、納経所の方の、つっけんどんな対応に遭って、

「けしからん!!」

・・・と、立腹する参拝者もいます。

しかし我々は、お参りを『させて頂いている』立場。
決して、『お客様』ではないのです。

ひょっとしたら、自分に不足している部分を、仏さまが『戒め』として、
我々の眼前にお示し下さっているのかもしれません。

「教えて頂いている。」
「修行させて頂いている。」

・・・そう思って、我が身を省みる事が、本来の姿勢でしょう。

因みに、こうゆうさん思い出の納経所は、お婆ちゃんがテレビを観ながら
対応して下さる所だったそうですが、そのお婆ちゃんが筆を動かすのが、
テレビドラマの合間のCMの時間だけだったそうです(笑)

さて、土佐の国での修行は、ここまで。
次からは、いよいよ『菩提の道場』伊予の国です

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!

2008/11/15 17:30 | Comments(1) | TrackBack() | 放送内容
【38番】蹉跎山・金剛福寺《きくへんアルバム》
第三十八番札所、蹉跎山・金剛福寺のアルバムです


081108_01.jpg
大師堂です。

081108_02.jpg
収録風景です。
そこら中に植えられているソテツが
南国ムードを醸し出しています

081108_03.jpg
『大師亀』
海亀を祀っています
太平洋を臨む足摺ならではですね

081108_04.jpg
収録時(2008年7月29日)は境内整備中でした
残念
現在は工事も終わり、境内に池が出来ているそうですよ

2008/11/08 17:30 | Comments(0) | TrackBack() | きくへんアルバム
【38番】蹉跎山・金剛福寺《放送内容》
今回のお参りは第三十八番札所、蹉跎山・金剛福寺です。

四国最南端の足摺岬を臨むこちらのお寺、境内に配されている岩といい、
周りを囲む蘇鉄などの木々といい、南国ムード満点

前の札所からは約100km、歩けば2日以上を要する距離です
そんな厳しい道中ですが、途中には休憩場所も、食料を調達出来る
店舗もほとんどありません。

そんな、文字通り『足を摺る』ような思いで行かねばならないこの道を、
こうゆうさんはつい最近、歩かれたそうです。

近頃は車での参拝が増えた事もあり、バスなど大型車両が通行出来る
様に立派な道路が整備され、歩き遍路の方にとっても、そういった道は
快適で楽に思われがちですが
大型の車両に合わせて設計された道路ですから、カーブの関係などから、
旧道に比べかなり大回りとなります

一方、昔からの遍路道は、最近の道路に比べれば、距離こそ短いものの、
高低差の激しい、金剛杖なしには進めないような急峻な箇所も多くあり、
『どちらが楽かという単純比較は出来ません。

***********

境内は、自然の岩をうまく利用した『立体曼荼羅』という趣き。

古くからの建物が多く残っている一方、本来の正しい様式を再現すべく、
新築されている途中の建物も見られ、現在は整備中の段階のようです。

広い境内ですので、時間をかけてゆっくり散策されるのもよいでしょう

***********

ところで、冒頭でも触れた足摺の行ですが、こうゆうさんが歩かれた時は
暴風雨で、大変な思いをされたようです

雨がしみた地下足袋が足を締め付け、痙攣が発生する
雨合羽を着用すると、蒸れて脱水症状となるため、雨具は使うことなしに
ズブ濡れで歩き通した、との事。

『足摺』という名称の由来は、こちらに古来からいらっしゃった神々が、
この地に降り立たれた仏さまの説法を聞きたくて、足をする様にしながら
地団駄を踏んだ
・・・という説もあるそうですが、行者の立場からすると
足をすりながら歩かねばならない、厳しい道程・・・

こちらの方が、実感が湧くそうです。

***********

さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小咄、凸凹同行記。

今回は、『足摺』の語源とされる、もう一つの説のご紹介です。

ある地位の高い、傲慢なお坊さんが、観音さまに会うためにと宣言して、
この地を訪れましたが、
本心は、自らの地位と名誉のみを考えての行動で
本当に観音さまにお会いしようなどとは、毛頭思っていませんでした

一方、同行していたお弟子さんは真面目で優しく、とても慈悲深い方で
宿を乞うて、師匠に冷たく門前払いにされる修行僧たちに、自身の食料を
分け与えていた
のでした

そんなお弟子さんの姿を見ていらした、観音さま
美しい僧侶の姿をとって二人の前に現れ、お弟子さんだけをお招きになり
補陀洛浄土へと向かわれました

師匠は、足をするように足踏みして、自分もお浄土へ同行させてほしいと
懇願したものの、かなわなかった、との事。

この様な説話は、『発心集』『とはずがたり』という鎌倉時代の書物に
収録されているそうです。

***********

『お接待』には、金品や食べ物・宿・車など、様々な方法がありますが、
施す側、受ける側、それぞれに修行が必要です

足摺の地に来る度に、こうゆうさんが必ず思い出す、先輩に教えて頂いた
エピソードがあるそうです。

///////////

  バスでお四国を巡っている、おばちゃんの一団がいました

  彼女達は、道中で『車接待』の楽しさに目覚めて、歩き遍路の人を見ては
  自分達のバスに『お接待』として乗せて差し上げて、色々お話をしながら
  共にお参りし、最後に感謝の言葉を頂く事に快感をおぼえていました

  歩き遍路の青年僧を見つけた一団、いつも通り『お接待』を申し出ますが
  彼は全行程を徒歩で巡ると決心していたので、お断りしたそうです。
  しかし、多勢に無勢、押し切られる形でバスに乗り込む事となりました

  そしてこの札所に到着し、礼を述べると、皆と一緒にお参りをする事なく
  元来た道を、歩いて戻り始める青年僧

  おばちゃん達が理由を尋ねると、彼は

  「全て徒歩で巡り修行すると決心した身、乗せて頂いた所まで戻ります」

  ・・・と述べて、去って行ったそうです

///////////


親切も『押しつけ』になってしまうと、自らの徳を下げる事となります。
施すには、『陰ながら』という謙虚な気持ちが大事です。

***********


同じ土佐清水市内といっても、中心市街地からは山を越えて十数km。
そのため、この足摺周辺だけで、一つの町が形作られています。

宿や温泉、美味しい食事・・・
すった足を十分に労るためにも、ゆっくり時間をとってお参り下さい

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!

2008/11/04 20:58 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容

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