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2024/04/25 08:56 |
【10番】 得度山・切幡寺 《放送内容》
今回のお参りは、第10番札所、得度山・潅頂院・切幡寺です。

山門へ到着すると、男と女の厄を払う、333段の石段。
…前回の『健脚お守り』は、この日のためだったのです。

かつて、『阿波の国の十番参り』という参拝方法がありましたが、
時間も費用もないため、八十八箇所全てを巡拝することが叶わない
庶民が、十番までをキッチリと修める、というお参りの仕方です。

山号の『得度』とは、在家の者が仏門に入り出家する事です。
そして『潅頂』とは、仏のみ教えに見立てた水を頭頂部から注いで
下々へと流れ伝わって行く様を表した、仏教の儀式です。

こちらのお寺は、それらの行事全てが含まれた名前になっており、
十番参りの結願にふさわしい、真の仏道に触れる事が出来るお寺
と言えるでしょう。

**********

スタスタと石段を登る早足のこうゆうさんに対し、米裕さん達は、
置いて行かれそうです。
見かねたこうゆうさんから、特別講義・『石段の登り方』

  雨の日は滑りやすいので注意(ロケ当日は雨だったようです)
  ジグザグに、両足に万遍なく体重をかけて登ると、疲労度軽減
  内股気味に歩けば、泥はねが少ない

**********

石段を登りきったところで、特別講義その2・『お布施』。

『布』『施す』…その意味するものとは?

古代インドのお話。お釈迦さまの尊いお姿を観て、仏道を進もうと
発心した女性がいました

ところが、身分が低いその女性は、お釈迦さまに施すべきものを、
何も持っていません。

そこで、身に着けている衣を裂いて、お釈迦さまの肩にかけた所、
周囲の人々もそれに倣って衣を施し、お釈迦さまは、それらの布を
縫い合わせて衣にしました。

この様に、最初に施したものが『布』であったことから、お供えを
『お布施』と称するようになったそうです。

**********

ここで、『切幡寺』名前の由来、パート1(第一説)。

かつて、この地を旅されていたお大師さまが、衣の綻びを直そうと
一人の娘さんに相談すると、その娘さんは、自分が織っていた幡を
切って捧げました


感激されたお大師さまが、娘さんに「願い事はないか」尋ねた所、
出家したいとの希望でしたので、得度・潅頂の儀式を行いますと、
娘さんは千手観音さまに姿を変えたそうです。

そんな伝説から、こちらのお寺は女性の信仰を集めているとの事

・・・・・・・・・・

『切幡寺』名前の由来、パート2(第二説)。

仏さまは、歌舞音曲と香り、散華、そして五色の幡に先導されて、
地上へと降りて来られるそうです。

かつて、この地に幡が舞い降りて来た事から、こちらが霊山として
信仰の対象となった、というお話が伝わっています。

・・・・・・・・・・

いずれも、仏教的な知識が根底にあって成立した説話でしょうが、
お話の真偽はともかく、我々の周囲には大勢の仏さまがいらして、
常に助けて下さっている事を忘れてはならない
、という呼びかけが
含まれている、と考えるべきでしょう。

千手観音さまに転じたという娘さんのお話も、実は千手観音さまが
娘に化身して、お大師さまを導かれた
、という見方も出来ます。

おそらく、お大師さまは旅の途中で大勢の仏さまとお逢いになり、
その感動を、各々の札所に残して下さっているのでしょう。

**********

さて、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』
切幡寺の名前の由来
お布施の意味に続いて、お袈裟(糞掃衣)のお話です。

貴重品である布は、まず衣として用い、次に手拭、掃除用の雑巾、
そして最後は便所掃除に使われて、その役目を終えます。

そのような、価値のなくなった布をつなぎ合わせて作られたのが、
お袈裟、即ち『糞掃衣』「後は糞の様な汚いものを掃除するしか
使い道のない布で作った衣」
という意味です。

元々はお供え物ですから、実際に便所掃除に使われた布ではなく、
お供えする側の謙遜の気持ちの入った呼び名でしょう。

無価値な布で作られたお袈裟は『無欲』の象徴。
お袈裟の黄色は実りの象徴、『清らか』な喜びの色。
そこに悪魔のつけ入る隙はありません。

汚れた思いや、修行の妨げになるような心が感じられるお布施は、
もはや『お布施』とは呼べません。


**********

お参りを修め、改めて山門まで降りてきた御一行。
再建されたばかりで、まだ仁王さまはいらっしゃいません。
しかし、後世にしっかりしたものを残す、という意気込みが伝わる
本当に立派な山門で、次回のお参りが楽しみです。

…という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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2007/09/03 18:59 | Comments(2) | TrackBack() | 放送内容

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コメント

収録はたいへんだったと思いますが、iPod+ヘッドフォンで聞いているこちらは、じゃぶじゃぶと頭の中を洗ってもらったような気分ですっきりとしました。

先日お寺にお参りしましたら、八十八ヶ所の「○○山○○寺」と彫られた石がずらっと並んでいる一角がありました。
毎回、山号やお寺のお名前について説明してくださるので、「あっここは」と放送のようすを思い出したり、ごんたとたけやんのやりとりが浮かんだりして、石と字を見ているだけなのにお得な気持ちになりました。
posted by クラゲ at 2007/09/06 19:56 [ コメントを修正する ]
クラゲさん、書き込み有難うございます。
放送内容ダイジェスト執筆担当のNです。

お参りの内容を記事にする、という任務にも関わらず、
実際には、2ヶ寺しか取材に同行していない、怠け者です。

でも、職人・前澤ディレクターの手による『音』を耳にすると、
「あぁ、またお四国に行きたい!!」・・・と、ウズウズしてきます。

その内、きっとクラゲさんも・・・(笑)

これからも、番組との末永いお付き合い、宜しくお願いします。
そしていつの日か、お四国でお会いしましょう!!
posted by 非常勤スタッフN at 2007/09/07 23:38 [ コメントを修正する ]

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