忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




2024/03/29 07:59 |
【23番】医王山・薬王寺《放送内容》
発心の道場・阿波の国も、今回がいよいよ最後・・・
第二十三番札所、医王山・薬王寺です。

厄除けの祈願所として全国的に有名なこちらのお寺ですが、『厄年』には
色々な解釈があります。

第1説
男性の42歳、女性の33歳といえば『脂の乗り切った』年齢。
つい頑張り過ぎて、肉体にも精神にも、負担がかかる事が多くなります。
疲れを溜めぬよう、今少しブレーキをかけよ・・・
という考えで、先人の知恵から設定された、という説。

第2説
『厄』=『役』。
役員・役職といったものは、働き盛りの者に当たります
大事な時期、丁寧に慎み深く行動すべし・・・
そんな戒め、という説。

第3説
『厄』の字は、脱皮したばかりの蛇の姿を表す、と言われています。
脱皮を繰り返して蛇は成長しますが、脱皮したばかりの皮膚は柔らかく、
鳥など、敵からの攻撃にはあまりにも無力です。
伸び盛り、周囲に注意せよ・・・
そんな忠告、という説。


十干と十二支の組み合わせは、全部で60通り
これが一回りして、生年と同じ組み合わせにもどるのが『還暦』です。

この還暦も『厄』でありながら、お祝いの対象となります。
それは、前の三説を見れば分かる通り、我々が考える『不吉』な意味は、
本来含まれていないからです。

暦が一巡して、生まれた年に戻った。
ここからは、『赤子』のような気持ちで、また一から頑張る・・・
そんな意味から、『赤』のちゃんちゃんこが贈られるのだそうです。

厄年を憂う必要はありません。
むしろ、自分が今後、いかに生きてゆくべきかを考える、良い契機です。

***********

33段の女坂42段の男坂、そして暦の厄坂がある薬王寺。
これらを乗り越える事で、厄落としを体感できる仕組みです。

石段を上り、眼下の海を見渡すと、自らを大海に漕ぎ出す船に重ね合わせ
「さあ、本当の修行が始まるぞ」という気持ちが湧き上がって来るという
こうゆうさん。

苦難を乗り越えてお参りを修め、振り返ると広がる絶景
「視野を広げ、懐の深い人生を送れ」と語りかけて来るように感じます。

***********

かつて、石段一段一段の両端に、書写した経文を置き、厄を落とすという
風習がありましたが、現在は経文に代わり一円玉がお供えされています。

これは、自分がこれまで積み重ねて来た徳分を置いてゆく善行によって、
厄を落とす
、という事を意味しています。

ですから、良い行いをした者でなければ、厄を落とす事は出来ません。

***********

1188年、大火に遭ったこちらのお寺。
その際、御本尊のお薬師さまは、山へと避難された、と言われています。

焼失した建物の再建も終わって、新しい御本尊さまをお迎えしたところ、
避難したと言われた古い御本尊が、ひょっこり帰っていらしたそうです。

現在も、新しい御本尊と背中合わせでお立ちになっている、古い御本尊は
『後ろ向き薬師』さまと呼ばれています。

本堂裏に湧く、ラジウムを含む霊水は『肺大師』と呼ばれ、その名の通り
肺病に効果があるとされています

***********

さてお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。

絶景に感動して話しかけてくるたけやんの言葉にも、上の空のごんた。
見れば、石段にしゃがみ込んで、一円玉を拾うのに夢中です

お供えだから元に戻すようにと、ごんたを嗜めるたけやん

お供えがあるから、掃除も行き届き、お香や御本尊への供物も得られる。
お供えとは、皆が幸せになるための、お手伝いの方法。
そんな善行を積むからこそ、厄を落とす事が出来るのです。

ごんたの様に、自分の懐に全て収めてしまうと、落とされた厄を、一人で
全て背負う事になってしまいます

損得を離れ、皆が喜ぶ事を一心に考えて修行を積めば、その人本来の姿が
明らかになる・・・と言うたけやん。

さて、ごんたの本来の姿は、いつ見る事が出来るのか?

「今、見せたろか?
・・・そう言うと、またもや石段にしゃがみ込むごんたでした(笑)

***********

上る時には大変だった石段も、お参りを修めて、下って来ると、そこには
なんとも言えない爽快感が広がります。

どんな苦難でも、乗り越えて、それを克服した暁には、よい思い出として
心に残るものです

古の人々は、そんな事を身近に体感出来るようにと、程よい高さの場所に
お寺を建立
し、お参り出来るように考えて配置したのかもしれません。

***********

本堂に向かって右へ、還暦の石段を上ると、そこには全国的にも珍しい、
朱色の『瑜祇塔』がそびえています。

ある意味、多宝塔よりも珍しい、特徴的な姿の瑜祇塔。
薬王寺へお参りする際は、忘れずに訪れたいものです

さあ、阿波の国の札所は、これで全て修めました。
次回からは、修行の道場・土佐の国です。

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!

PR



2008/03/19 00:46 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<【23番】医王山・薬王寺《きくへんアルバム》 | HOME | 【22番】白水山・平等寺 《きくへんアルバム》 >>
忍者ブログ[PR]