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2024/04/20 05:35 |
【38番】蹉跎山・金剛福寺《放送内容》
今回のお参りは第三十八番札所、蹉跎山・金剛福寺です。

四国最南端の足摺岬を臨むこちらのお寺、境内に配されている岩といい、
周りを囲む蘇鉄などの木々といい、南国ムード満点

前の札所からは約100km、歩けば2日以上を要する距離です
そんな厳しい道中ですが、途中には休憩場所も、食料を調達出来る
店舗もほとんどありません。

そんな、文字通り『足を摺る』ような思いで行かねばならないこの道を、
こうゆうさんはつい最近、歩かれたそうです。

近頃は車での参拝が増えた事もあり、バスなど大型車両が通行出来る
様に立派な道路が整備され、歩き遍路の方にとっても、そういった道は
快適で楽に思われがちですが
大型の車両に合わせて設計された道路ですから、カーブの関係などから、
旧道に比べかなり大回りとなります

一方、昔からの遍路道は、最近の道路に比べれば、距離こそ短いものの、
高低差の激しい、金剛杖なしには進めないような急峻な箇所も多くあり、
『どちらが楽かという単純比較は出来ません。

***********

境内は、自然の岩をうまく利用した『立体曼荼羅』という趣き。

古くからの建物が多く残っている一方、本来の正しい様式を再現すべく、
新築されている途中の建物も見られ、現在は整備中の段階のようです。

広い境内ですので、時間をかけてゆっくり散策されるのもよいでしょう

***********

ところで、冒頭でも触れた足摺の行ですが、こうゆうさんが歩かれた時は
暴風雨で、大変な思いをされたようです

雨がしみた地下足袋が足を締め付け、痙攣が発生する
雨合羽を着用すると、蒸れて脱水症状となるため、雨具は使うことなしに
ズブ濡れで歩き通した、との事。

『足摺』という名称の由来は、こちらに古来からいらっしゃった神々が、
この地に降り立たれた仏さまの説法を聞きたくて、足をする様にしながら
地団駄を踏んだ
・・・という説もあるそうですが、行者の立場からすると
足をすりながら歩かねばならない、厳しい道程・・・

こちらの方が、実感が湧くそうです。

***********

さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小咄、凸凹同行記。

今回は、『足摺』の語源とされる、もう一つの説のご紹介です。

ある地位の高い、傲慢なお坊さんが、観音さまに会うためにと宣言して、
この地を訪れましたが、
本心は、自らの地位と名誉のみを考えての行動で
本当に観音さまにお会いしようなどとは、毛頭思っていませんでした

一方、同行していたお弟子さんは真面目で優しく、とても慈悲深い方で
宿を乞うて、師匠に冷たく門前払いにされる修行僧たちに、自身の食料を
分け与えていた
のでした

そんなお弟子さんの姿を見ていらした、観音さま
美しい僧侶の姿をとって二人の前に現れ、お弟子さんだけをお招きになり
補陀洛浄土へと向かわれました

師匠は、足をするように足踏みして、自分もお浄土へ同行させてほしいと
懇願したものの、かなわなかった、との事。

この様な説話は、『発心集』『とはずがたり』という鎌倉時代の書物に
収録されているそうです。

***********

『お接待』には、金品や食べ物・宿・車など、様々な方法がありますが、
施す側、受ける側、それぞれに修行が必要です

足摺の地に来る度に、こうゆうさんが必ず思い出す、先輩に教えて頂いた
エピソードがあるそうです。

///////////

  バスでお四国を巡っている、おばちゃんの一団がいました

  彼女達は、道中で『車接待』の楽しさに目覚めて、歩き遍路の人を見ては
  自分達のバスに『お接待』として乗せて差し上げて、色々お話をしながら
  共にお参りし、最後に感謝の言葉を頂く事に快感をおぼえていました

  歩き遍路の青年僧を見つけた一団、いつも通り『お接待』を申し出ますが
  彼は全行程を徒歩で巡ると決心していたので、お断りしたそうです。
  しかし、多勢に無勢、押し切られる形でバスに乗り込む事となりました

  そしてこの札所に到着し、礼を述べると、皆と一緒にお参りをする事なく
  元来た道を、歩いて戻り始める青年僧

  おばちゃん達が理由を尋ねると、彼は

  「全て徒歩で巡り修行すると決心した身、乗せて頂いた所まで戻ります」

  ・・・と述べて、去って行ったそうです

///////////


親切も『押しつけ』になってしまうと、自らの徳を下げる事となります。
施すには、『陰ながら』という謙虚な気持ちが大事です。

***********


同じ土佐清水市内といっても、中心市街地からは山を越えて十数km。
そのため、この足摺周辺だけで、一つの町が形作られています。

宿や温泉、美味しい食事・・・
すった足を十分に労るためにも、ゆっくり時間をとってお参り下さい

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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2008/11/04 20:58 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容

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