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2024/04/26 20:01 |
【46番】医王山・浄瑠璃寺《放送内容》
今回のお参りは第四十六番札所、医王山・浄瑠璃寺です。

こちらのお寺、院号は『養珠院』
『珠』とは、仏さまの持つ宝を凝縮した『宝珠』を意味していますので、
「珠を磨き、養え」という、密教の根本を表した、有り難いお名前です。

山号に『医王』とくれば、御本尊はお薬師さま。
正式には『薬師瑠璃光如来』とおっしゃいます。

科学の発達した現代にあっても、お薬師さまのお名前である『瑠璃』色は
人間の手では作る事が出来ない、有り難く貴重なものです。

かつて、室戸の地で、早朝に座禅・瞑想していたこうゆうさん。
夜が明ける寸前、空と海の青が一つになる瞬間を目の当たりにされた時、
夜と昼の境目に表れ出る色が、瑠璃色なのでは?と思われたそうです

お薬師さまの住まわれる地は、東方瑠璃光浄土。
そして、そのお薬師さまの両脇には、日光・月光の両菩薩さま。

・・・そこに答えはあるようです。

***********

境内には、正岡子規の句碑があります。

『永き日や 衛門三郎 浄瑠璃寺』

衛門三郎とは、かつて、この地で勢力を振るった豪族です。
隆盛を極めていた絶頂期、巡錫中の空海さまに対する無礼が仏罰を呼び、
次々と不幸に見舞われた事から、後に改心。

空海さまに謝罪したい一心で、四国中を歩き、空海さまを追った足跡が、
現在のお遍路の基礎となりました。

『永き日』。
その意味する事とは、何なのでしょう。

衛門三郎がお遍路を始めた、遥か遠い日の事か。
その日から今日までの永きにわたり、お遍路が受け継がれている事か。
それとも、これから未来永劫、お遍路が続いてゆく事か。

過去から未来へ。
思いを巡らせるのも、なかなか味わい深いものがあります。

衛門三郎のエピソードは、十二番・焼山寺の記事を御参照下さい。
http://kikuhenro.blog.shinobi.jp/Entry/47/

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さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。

男が二人、話し込んでいます。
どうやら、村の『三坂峠』という難所の事で、困っている様子


なんでも、隣村からせっかく鍋を買ってきても、この場所を通りかかると
誰もがその鍋を落として、割ってしまうとの事。

村にある唯一の鍋は、今年70歳になるオタキ婆さんが、22歳の頃に、
辛うじて割らずに持ち帰る事に成功したものですが、その年代物の鍋に、
穴が開きかけているそうです。

峠道、頭上には岩の出っ張り、そして足元は湧き水と苔。

上に注意していると、足を滑らせて転んでしまう。
足元に気をつけていると、岩に頭をぶつけて、やっぱり転んでしまう。

オタキ婆さんの家に嫁いで25年になる奥さん、隣村で買った大事な鍋を
一度として無事に持ち帰った事がなく、大層悔しい思いをしている様子。

「あの出っ張りをなんとかしてくれた者には、我が娘を嫁にやる。」

・・・そんな奥さんの言葉を聞いた男衆、峠の岩を動かそうとしますが、
硬くて大きなその岩は、ビクともしません。

そんな所を通り掛った、一人のお坊さん。
岩を指差し、何事かを唱えたところ、岩は真っ二つに割れたそうです

第四十六番札所の境内には、その時に砕けた岩の半分が残っていますが、
運ぶ時についたモッコの網目から『網掛石』と呼ばれています。

岩を砕いたお坊さんは、皆さん御想像の通り、空海さま。
でも、当然ながら、娘さんを嫁にはもらいませんでした

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こちらのお寺、境内には仏足石や説法石など、見所が色々とありますが、
中でも有名なのが、伊吹柏槇(イブキビャクシン)。

別名を『籾大師』という、この老巨木。
お大師さまのお手植えと伝えられています。

空海さまには、お加持をして植物を元気にしたという伝説がありますが、
分かり易い形で、仏さまのみ教えを広めようとされたのでしょう。

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浄瑠璃寺の開基は、行基菩薩さまです。

当時は東大寺の開眼供養の頃で、その功徳が地方にも行き渡るようにと、
各地を巡錫し、お寺を建立なさったのだそうです。

大きな事業を行うに当たっては、寄付を募るために各地を奔走する事が、
現代では当たり前になっています。

遠い古代の考え方。
見直したいものです


***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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2009/03/07 22:35 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容

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