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2024/04/25 10:27 |
【70番】七宝山・本山寺《放送内容》
今回のお参りは第七十番札所、七宝山・本山寺です。

門前を賑やかに車が行き交う、平野部に位置するこちらのお寺。
一歩中に入ると、境内が全て見渡せる、いかにも讃岐らしい札所です。

現在の山門は、それほど大きなものではありませんが、これはどうやら、
かつての中門であるようです。

そう考えると、かつてこの一帯に、一大伽藍を誇る大寺院があった事が、
容易に想像出来ます。

六十八番、六十九番、そしてこの七十番が同じ山号であるという事実も、
その事を示しているのかもしれません。

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戦国時代、それは、四国の各寺院にとって受難の日々でもありましたが、
この本山寺も、あの悪名高き戦国武将・長宗我部元親が陣を張ろうとして
危うく焼き払われるところだったそうです

ただ、当時の住職の仏法を守り通す固い決意と、仏さまのお力によって、
戦火を免れ伽藍が残った、大変に貴重なお寺なのです。

その事は、山門の礎石などの凝った細工、つまり仏教が隆盛を極めた頃の
名残があるという事実からも垣間見る事が出来ます。

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さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。

連戦連勝で勢いに乗る戦国武将、長宗我部元親
本山寺の敷地へ陣を張ろうと、寺を焼き払うためにやって来ました。

ところが本山寺の住職、元親を恐れる事もなく、刀を納め戦を止める様、
元親に命じます。

怒った元親、住職を斬った・・・かに思いましたが、手応えは全く無く、
住職は無傷。

一体何がどうなったのか、全く理解出来ずにいる元親の前に現れたのは、
白い光に包まれた阿弥陀如来さま

恐れおののき、錯乱するところを・・・
家臣に揺り起こされ、夢から覚めた元親。

今日は、讃岐の地へ陣を張るべく、本山寺を焼き払いに行く日。

・・・の予定でしたが、そんな恐ろしい夢から覚めたばかりの元親
尻尾を巻いて退散したのは、言うまでもありません。

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本山寺の御本尊は、馬頭観音菩薩

観音さまといえば、慈悲深く優しい、女性的なお姿を想像しがちですが、
この馬頭観音さまは、世にも恐ろしい忿怒相の仏さまです。

江戸期には、当時の労働の一端を担っていた家畜を守護する仏さまとして
民衆の信仰を集めた馬頭観音さまですが、本来は、馬が飼葉を食べる姿の
勢いの良さが転じ、煩悩を食べ尽くして下さるお姿を示した仏さまです。


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本堂左手には、美しい五重塔が聳えています。
これは、明治期の御住職が、元の形に改修したものだそうです。

明治といえば、廃仏毀釈の嵐が吹き荒れた、仏教においては『鬼門』。

そんな逆風の時代にあって、仏法を守り続ける確固たる決意を胸に秘め、
実現にこぎつけた御住職の覚悟たるや、相当なものだったでしょう。

戦国時代の、長宗我部元親を追いやった御住職といい・・・
明治時代の、この御住職といい・・・

住職の『覚悟』が、こちらのお寺のキーワードかもしれません。

そんな歴史を持つ、この本山寺。

古式に則った伽藍を守り続けているあたり、その『覚悟』は、現代までも
脈々と受け継がれているようです。

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!

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2010/03/08 12:10 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容

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