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2024/04/25 22:25 |
【74番】医王山・甲山寺《放送内容》
今回のお参りは第七十四番札所、医王山・甲山寺です。

セメント工場などが近くにあり、開けた場所に位置するこちらのお寺。
山門左側に山を頂くという、独特の伽藍配置です。

近年、駐車場や境内が整備されましたが、旧来の建物と新築された建物が
品よく調和しており、御住職の信念を垣間見る事が出来る気がします。

寺社建築に携わるのは宮大工さんですが、家大工との仕事の違いの一つに
柱の角の『面取り』を施す事があります。

これにより、建物の『優しさ』が生み出されますが、手間もかかります。
また、それぞれの流儀により、面取りの幅などは異なるそうです。

宮大工さんの手による建物は『男形』『女形』に分類されるそうですが
線は細いながらも、うまく均整がとれてスッキリとしたこちらの山門は、
その言葉のイメージ通り『女形』だと言えるでしょう

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古くより、水の確保には大変な苦労のあった、この讃岐の地。

誰もが成し得なかった『満濃池』築造という一大土木事業を、空海さまは
唐の国で学んだ知識と、民衆の協力により、短期間で達成されましたが、
その際、工事の無事完成を祈願・祈祷されたのが、この甲山寺でした。

ここは四国八十八箇所の中で唯一、お城を背負ったお寺で、御本尊である
薬師如来さまにお仕えする十二神将の勇ましい御詠歌からも分かる通り、
戦国武将からも厚く信仰されました。

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さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。

これまでの札所は、修行中の空海さまが『通りかかった』場所でした。

しかし、前回の出釈迦寺、そしてこの甲山寺あたりからは、お大師さまの
生活圏、幼き日より慣れ親しんだ場所という空気を濃密に感じられます

この近くには仙遊ヶ原地蔵堂という場所があり、3歳の頃の空海さまが、
木で作ったお堂に泥仏をお祀りしていたという伝説があります。

・・・そんな事をたけやんから聞いたごんた。

前回の『捨身ヶ嶽』のエピソード同様、伝わっている話の『真偽』より、
その物語を代々語り継いで来た先人達の意図を読み解く事が重要、つまり
この伝説は『信実ではない』と思っているようですが・・・

『天才』とは、常人の理解を超えた存在です。
平凡な自分の尺度からは、決して測る事は出来ません。

いや、天才でなくとも、人間それぞれが、隠れた能力を持っています。

戦国時代、天下無双の剛力と言われた朝比奈彌太郎という男が、甲山城に
いました。

彼は、敵の放った何百本もの矢を受けながら、百九十人を一人で討ち取り
立ったまま討ち死にしたそうです。

何かのキッカケで突如として明らかになる、思いもよらぬ能力や才能。
『火事場の馬鹿力などは、その典型的な例でしょう。

何か困難に遭遇した時、その才能をうまく引き出すか、無理と決めつけて
解決を諦めてしまうか。

・・・そこには、人間の生き方として、雲泥の差があります

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本堂左手から石段を上ると大師堂、更にその横には洞窟があって、中には
お大師さま御作と言われる毘沙門天像が安置されています。

これは、巡錫中のお大師さまが、この地を守っているという翁と出会い、
感応して刻まれたと伝えられています。

毘沙門天さまとは、勇ましいお姿と迫力ある形相の仏さまで、片方の手に
多宝塔を載せており、仏教を守護するお役目を表現しています。

こちらの甲山寺、片方に山を頂いているという立地から、地形そのものが
あたかも毘沙門さまを表しているかのようです。

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かつて、御自身のお寺の伽藍整備で頭を悩ませたこうゆうさん。
こちらにお参りした際に授かったのが『福寿円満財宝融通』という言葉。

伽藍整備というと、莫大な金額が必要です。

でも、そのお言葉を頂いた時に気付いたのが、
「無いお金を『頂く』のではなく『回せばよい』という事
『貰う』『儲ける』のではなく、持てる人が困った人に『融通する』

互いに、持ちつ持たれつ。
それが、『りえき』から『りやく』へと高められる道かもしれません

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!
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2010/05/01 18:22 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容

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