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2024/04/19 22:50 |
高野山お礼参り編:第一回 《放送内容》
四国八十八ヶ所を修めた一行は、遂にやって来ました。
・・・真言密教の聖地、高野山。

弘法大師空海さまへ、無事に帰って来る事が出来たという御報告、そして
お礼参りのためです。

一行が降り立ったのが、奥の院への入り口に当たる『中の橋』の駐車場。

車やバスでの参拝の場合は、ここで降車してから奥の院へと向かうのが、
一般的なルートになります

***********

駐車場から少し行くと、大きな石柱が立っています。
この先は浄域。心を改めて進まなければなりません。

「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなむ」

全ての生きとし生けるものが、悟りを開き、迷いから救われるその時まで
この世に身を留め、祈り続ける・・・という、お大師さまの決意です。

この、有り難いお言葉から分かる通り、真言宗は『生きて仏に成る』事を
説き、気付かせ、目指すみ教えです。

永遠の禅定に入られた後、今なお我々のために祈り続けて下さっている、
お大師さま

辛い時、迷った時、困った時、南無大師遍照金剛の御宝号をお唱えすれば
何らかの形で、我々の傍に立ち、助けて下さる・・・

この信仰を凝縮した言葉が、『同行二人』です。

***********

高野山の参道といえば、戦国武将等、歴史上の人物の古く苔むしたお墓が
両脇にズラリ・・・といったイメージがありますが、一行が歩いている、
中の橋から御廟へ向かう道は、出来てからまだ30年程しか
経っていない、新しい参道です。

ですからこの道の途中で目にするお墓は、有力企業など、実業家の方々の
比較的新しいものばかりです。

因みに、歴史上の人物のお墓は、一の橋から続く、古くからある参道脇で
見る事が出来ます。

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奥の院に近付くにつれて、周囲の木々の幹が、段々と太くなってきます。

参道の道幅は広いのですが、道の中央を我が物顔で歩いて良い訳ではなく
道の左側を、他の方の邪魔にならぬ様に進むのが、参拝の際の作法です。

修行僧は、陀羅尼を唱えながらここを早足で進み、御廟へお参りするのが
日課だそうです。

無明の橋を渡った先は、撮影・録音等は一切禁止という聖域になります。

***********

さて、皆さんお待ちかね、米裕さんの創作小噺『凸凹同行記』。

九度山の慈尊院から、町石道を4時間歩いて来た、ごんたとたけやん。
高野山の入り口・大門まで、あと1時間ほどです。

町石道は、迷いようのない立派な道ですが、最後の難所・目に悪い坂道
前方に待ち構えています。

そんな訳で、花坂の焼き餅を食べてから、後は自分のペースで行く様にと
たけやんはごんたにアドバイスをしました。

その言葉通り、美味しい焼き餅で腹ごしらえを済ませたごんた。
さあ、出発・・・と見回したところ、たけやんの姿がありません。

たけやんは『自分のペースで』と言っていたので、先に行ったのだろうと
大して気にする事もなく、出発するごんた。

歩き遍路で鍛えられた健脚で、坂道を難なくクリアしたごんた
大門へ着くと、そこで待っていたのは、ごんたの愛犬・クロでした。

長らく遍路に出ていて、久々に会うクロ。
きっとたけやんが気を利かせて、ごんたのお母さんに連絡を入れていたに
違いありません。

再会を喜ぶごんたに、もう一つの再会が。
大窪寺、そして霊山寺でも会った、歩き遍路の良治さんです。

ごんたは、愛犬のクロが『出迎えて』くれた事を嬉しそうに話すとともに
たけやんの姿を見なかったか、良治さんに尋ねたところ・・・

クロが『出迎えた』というごんたの言葉を、不審に思う良治さん。

何故なら、大窪寺でも霊山寺でも、ごんたがクロと仲良く一緒にいるのを
目にしていたからです。

「そんなハズはない・・・。」

うろたえるごんたの姿に、何かを感じ取った良治さん。
すぐに御廟へお参りするよう、ごんたを促しました。

無明の橋を渡ろうとするごんたの前に現れたのが、一人の『お坊さん』。

初対面のはずのごんたとクロの名前を知っている、この『お坊さん』は、
「気付かせてやってほしい」と、ごんたの母親から頼まれたと言います。

人は誰でも、苦しみ・悲しみを背負って、人生という遍路を歩いている。
でも、往々にしてその苦しみ・悲しみから逃げたくなるもの。

・・・ごんたも、そんな一人でした。

『お坊さん』は、辛い過去から逃げていたごんたを現実に引き戻すため、
お遍路に出る前、ごんたとたけやんの身に起こった事を語り始めました。

・・・・・・・・・・・

『たけやん』こと、たけぞう。

彼は幼くして両親を亡くし、路頭に迷っていたところを、ごんたの母親に
助けられ、乳飲み子だったごんたと共に、兄弟同然に育てられました

たけぞうも、恩に報いるため、ごんたを実の弟のように可愛がりました。

今から6年前の事。

お祭りで酒に酔って、橋の欄干から落ちて溺れたごんたを助けるために、
たけぞうは、なりふり構わず川へ飛び込びました

ごんたを抱えたまま救助を待っていたたけぞうは、村人に引き揚げられ、
ごんたが無事なのを見届けると、その場で力尽きてしまいます。

たけぞうの亡骸を見たごんたは、辛い現実を受け容れることが出来ずに、
捨て犬だったクロを、たけぞうだと思い込んで暮らすようになりました。

心配した母親は信仰の道へと入り、修行が進んで達観した頃を見計らって
『お坊さん』が母親の夢枕に立ち、告げました。

「ごんたに四国遍路をさせよ」と。

・・・・・・・・・・・

ようやく、全てを思い出し、現実を受け入れたごんた。
『お坊さん』がたけぞうに労いの言葉をかけると、元気に吠えるクロ

クロの首に何かがついている事をごんたに告げると、その『お坊さん』は
忽然と姿を消しました。

クロの首についていたのは、ごんたの家の電話番号のメモと、10円玉。

公衆電話を探し、母親に電話をかけるごんた。

「おかん、ワイの傍に、クロが居てるで!

大切な魂を、どう使うか。
その事に『気付く』ために、信仰があるのです。

***********

御廟へのお参りを修めた一行。

今回が初の高野山参拝となる杉本さんは、『高野山奥の院』という言葉に
お参りの前からイメージがどんどん膨らんでいる状態だったそうですが、
実際に足を運び手を合わせてみると、想像に違わぬ素晴らしい雰囲気で、
何か大きなものに包まれている様な感覚を味わった
、との事。

こうゆうさんも、学生時代に初めて無明の橋を越えて参拝された時には、
息が詰まりそうなほどの、『お蔭』が凝縮された空気を感じたそうです。

凛とした空気でありながら、暖かさも同時に兼ね備えている。

仏と一体になれる場所、それが高野山です。

***********

・・・という訳で、今回のダイジェストはこの辺で。

詳しくは、FMくらしきのOAと、Podcastでチェック!!

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2011/01/10 21:11 | Comments(0) | TrackBack() | 放送内容

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